T-MAX クラッチ交換

 フランスでは17年ぶりの大気汚染による自動車運転規制。ナンバーの末尾が奇数の車両しか走ってはいけないと言うお触れ。うちの車は偶数でTMAXが奇数。そこで、仕事場までかみさん載せて送っていった。その途中からいつもと違った感触。回転を上げないと走らないのだ。一発でクラッチと感じる瞬間...

 

 ヤマハのショップでみてもらうとクラッチが行ってるとすぐに言われて見積もりを出してもらった。工賃合わせると14万円なり。クラッチ廻りほとんど交換。プレートだけでいいよと言っても「それでは意味が無い」だそうだ。この出費はでかすぎる。覚悟を決めて自分でやってみることにした。

 

 ネットでオーダーしたマロッシのクラッチが届いたのは週末、土曜の午前中。作業は土曜の午後遅くから開始。とにかく10年以上ブリのバイクいじり。専用工具一切無し。カウルを外し、ウォーターポンプがあるので冷却誌を抜き、オイルを抜いた。順調に進む。クランクケースのボルトを全部とって外す。このケースにはジェネレーターが入ってるのでケーブルが繋がったまま。これが微妙な位置にあってリアのサイドパネルを外さないといけないとわかった。これを外すのにタンデムバーも外すことで結局外装の半分を外さないといけないという所まで行った。

 

 クラッチ本体を外すのにナットが27mm。手持ちに無いのでうちの向かいのDIYショップで購入。回転止めにカメラ分解用に買ったカニ目レンチがなんとちゃんと機能して割と簡単に外すことができた。クラッチハウジングからプレートを間違いないように一枚ずつ向きも変えないように外していく。全てを交換するわけでは無くメインのプレートのみを交換するからだ。

 

 パーツリストとにらめっこしながら交換して組んでいく。おまけに付いてきたマロッシのスプリング。堅さの違う3種類が入っている。もう町中を静かに走る程度なので一番低回転用の黒をチョイス。これは2400rpmでつながりはじめ4900rpmでフルになるようだ。とにかく組み直してハウジングを戻した。

 

 外したクラッチプレートをみるとプレートの半分のクラッチフェーシングが完全にすり減ったモノまであった。これでは滑るわけですね。走行距離はちょうど3万キロ。前のオーナーが急加速とかやっていたんでしょうな〜まあ、他にトラブルはなさそうなのでとりあえず一安心。

 

 さて、これからが大変だったのです。あとは元に戻すだけ。実際に形はきれいにもとどおり。オイルも、冷却しも戻して...ん!?何かポタポタと...オイル!?いや、冷却水だ。またクランクを割らなくて良かったと思って一安心したのは浅はかでした。

 

 これから水漏れと格闘。場所はわかりました。太い金属パイプ。これをなるべく他のパイプを外さないでやろうとしたのが良くなかったようです。ここでもうしゃがみ混んで作業していたので腰がギブアップ。地下駐車場で作業してたので時間も忘れてやってましたが夜10時!翌日は日曜なのでこの日はここでやめました。クラッチ交換に3時間ほど。水漏れと格闘で3時間...まだ終わらず。この水漏れ3時間の間に何度パイプを取り外し、冷却水入れ直しをしたのか...

 

 夜が明けて日曜の朝。ゆっくりと作業再開。今回はもうトラブルがわかっているので底を集中的にあるだけ。めんどくさがらず、問題のパイプ周りを外して作業しやすくしてやりました。これが功を奏して一発で水漏れ止まりました!微妙な角度で水漏れしてたんだな〜1時間かからずに修復完了!午後には市場に出ることができました。

 

 

 今回のクラッチトラブルで多くのことを学びました。まずこの車両を中古で選んだ理由は価格もあったのですがすでにあちこちいじってあるという大人げないモノでした。ローラーウェイトがすでに変更されて加速重視!と言う触れ込み。それと、自分にとってスクーター、オートマの2輪が初めての経験もありこういうモノだと思っていたんですな。購入したときから4000回転くらいにならないと動き出さなかったのがそういうモノでは無くすでにクラッチが滑ってたんでしょう。これがわかりませんでした。sんごうまちからのスタートで250のスクーターについて行けないんですから。ただし、繋がっちゃえば追いつき、追い越せるのでそういうバイクなのだと思っていたのです。これがこの日の午後乗ってびっくり。2000回転を超えたあたりから加速を初めて走るのです。速い!と思ってしまった。その後高速でもきびきびと100km/h 以上からでもぐぃ〜んと加速していく。ようやくTMAXの本来の姿を味わうことができたのでした。

 

 14万と言われた修理も自分でやったので27mmレンチを買ったのも入れても2万円でおつりが来ました。なよりも楽しい!こうすることでバイクが自分の物になっていくんだという感触がたまらなく好きです。走るよりもいじる方がやっぱり好きなのかもしれませんな。と言いながらやっぱりバイクは空冷、キャブ仕様だと思ったのでした...

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コメント: 12
  • #1

    Densuke (月曜日, 24 3月 2014 16:32)

    モーターサイクルも結構自分で出来るんですね!楽しそうです。僕の友達にもレストアとかしてるのがいます(乗ってる時間よりいじってる時間の方がずっと長いようですが)。
    そういえば、週末ビチクレッタのエンツォ・ジュニアに会いましたよ、ベルリンの自転車メッセで。トモさん知ってるでしょ、と聞いたら勿論!と喜んでました。

  • #2

    cycle-shooting (火曜日, 25 3月 2014 09:29)

    モーターサイクル、できますよ。同じ機械ですから。最近のはコンピューターが付いてるのでそのあたりはわかりませんが。私もいじくってる方が多かったです。初めて買ったモーターサイクル、納車の日にキャブレターばらしてました。というか、自転車より遙か以前よりモーターサイクルいじりやってましたので。10数年ぶりのモーターサイクルいじりは結構ワクワクしてやってました。

    そうでした。エンツォたちベルリンなんですよね!ロレンツォの新店舗が4月1日にオープンです!

  • #3

    Densuke (火曜日, 25 3月 2014 13:12)

    楽しそうですね、モーターサイクルいじり。
    古いものなどいじってみたくなりそうです、やはりブリティッシュとか。

    エンツォが言ってました。おとうちゃん忙しくて大変だって。ちょっと自業自得みたいな感じで言ってましたけど。

  • #4

    cycle-shooting (火曜日, 25 3月 2014 13:14)

    私がレストアを学んだのは英国車でした。そうすると工具全部買えないといけない(^^; これまた自転車と一緒で企画があれこれあるんですよね....

    ロレンツォも自分で考えていた以上に回転が早くて付いていけないんでしょうね。うれしい悲鳴という所でしょう。

  • #5

    Densuke (火曜日, 25 3月 2014 21:49)

    そーか、インチ工具ですか、、ツライですね、それは。
    そろそろ世界中メートル法に統一した方が便利だとは思うんですが、ちょっとくらいインチが残っていても悪くないかな、などとも思ってしまいます。

    なるほど、でもビジネスが好調なのは良いですね。

  • #6

    cycle-shooting (火曜日, 25 3月 2014 21:52)

    インチと言ってもUSインチでは無く、ブリティッシュインチなんでそれ専用にいるんですな〜ただ英国車はそれなりに人気ですので、結構専用の工具が手ごろな価格で出てますけどね。

  • #7

    Densuke (水曜日, 26 3月 2014 13:59)

    そうでしょうね、何も知らない僕でもノートン欲しいとか思いますから。

  • #8

    cycle-shooting (水曜日, 26 3月 2014 14:01)

    ノートンは最近当時の雰囲気を残した最新モデルが出ました。今欲しいのが昔、初めてばらした200ccのタイガーカブってのを直しながらのんびりサイクリングしているようなフランスの田舎道を走ってみたいです。

  • #9

    Densuke (木曜日, 27 3月 2014 09:01)

    モーターサイクルでのんびり走るのは良さそうです。それなら僕もしてみたいです。
    ノートン、見てみました。雰囲気は悪くないですね。でもやっぱり今のバイクだなぁ、と。

  • #10

    cycle-shooting (土曜日, 29 3月 2014 18:59)

    アラビアのロレンスでも有名なブラフシューペリアってのも現代版で復活。こっちはラグジュアリーオートバイと言うことで恐ろしい金額です。

    http://www.broughsuperiormotorcycles.com

    昔のバイクは全部自分でできそうでいいんですよね(それがまた良くないのか?)...

  • #11

    Densuke (月曜日, 31 3月 2014 13:45)

    これはなかなか面白いですね。全てこのバイクのための新設計パーツなんだろうと思うので値段も高くなって当然ですが、お幾らくらいですか?怖そうな値段でしょうね、きっと。

    今のメーカーとしてはユーザーが自分でいじれるモノは作れないと思います。保証とかが出来ないですからね。

  • #12

    cycle-shooting (月曜日, 31 3月 2014 21:15)

    ブラフシューペリアは確か、40,000Euro位だったかな?もっとするかもしれません。

    そういえば、最近は排ガス規制でキャブレターも使えないようですね(新車)。ホントいじれるところが少なくなっておもしろみに欠けます...走りに専念しろと言うことでしょうか(^^;