フロントディレーラー調整ほか

「火曜の午後」の約束でようやくサンジェのアトリエに。家を出るときは青空だったのにあと500mってあたりで土砂降りに...サンジェのショップはもうだいぶ前から雨だったらしく、雨の日は乗らない私はこないと思っていたようだ。

 

サンジェは注文が多く入っていて大忙し。日本人の名前も2名ほど見えました。

そこにサンジェの生き字引、マルセル登場。紫サンジェの元オーナー。と言っても奥さんが元オーナーですが整備はマルセルがやっていたのですべてを知っている。その彼がついに手を入れる時が来ました!

 

とにかくフロントディレーラーを3段それぞれにちゃんと入るようにすること。つけていったチャレンジャーを動くようにすることにした。先週自分で格闘したときに考えていた対処方法と結局おなじになった。

言葉で表すのはちょっと難しいんだけど..ジュビリーにしてもチャレンジャーにしてもパンタグラフの部分を支えるプレートがある。このカーブがいい加減で本来パンタグラフの奥の部分がこのプレートがカットされたカーブの部分をなぞるように変速させる。そのためにローラーが入っていて動きがしやすいような孤高になっているのに、手前のパンタグラフが先にあたってしまい、それが干渉して置くまで行き切らないのだ。調整ネジを完全に緩めても2mm位隙間ができてしまって完全に置くまでいかない状態なのだ。そこでこのプレートを削ってカーブを整えれば2mmは奥に動くそうすればきっと奥のギアに入るだろう。そう考えたのだ。これはジュビリーにしても同じ。家でやるのと違うのはアトリエにはグラインダーがありあっという間に削れること。削り終えて取り付けると今度はフレームのディレーラー直付け用の台座との角度がうまくいかない。取り付けボルトを締め付けるとちょうどいい角度からずれて行ってしまう。そのためこの台座も大胆にゴリゴリ削る。マルセルがそれを削りながら「最新のパーツが付くようにわざわざこれをつけたのに、今度はそれを削って古いゆーれーなんかつけようとするんだからたまんないよ...」と愚痴を言われる...シマノにすればいいのに...なんだったらサンツアーだっていい...それを断りかたくなにユーレーと言うと、50年の歳月を経てその誕生から現在までの最高のパーツで構成できるようになっているのに。マキシカーのハブにSKFのBB、シマノのディレーラー....。なるほど誕生から今までの中で最高のものが取り付けられるか...ちょっと考えさせられる言葉だ。それがサンジェなのだ。古いノスタルジックな自転車がサンジェでないのは一番良く知っているはずなのに...と言ってもユーレーが美しいので仕方ない(^^; フレームの歩んできた年代から言えば間違ったことはしてないと自分の考えも譲らなかった。もうこれ以上削る訳にはいかない...というところまでやったが一向にギアは入ってくれない。

チェーンリングを外に少しだけ出せないか?ということで、それを外しスペーサーを作ってほんの僅かだけ外に出してみた。今までが嘘のようにキレイに変速する...「最初からこれやればよかったよ...」と今まで数時間かけてきた作業が嘘のように結末を迎えた。まあ、その作業があったからほんの僅かなチェーンリングをずらしただけでうまく作動したんだろうけど。これで、ジュビリーに交換しても問題なくつくということでOK!

 

ボスフリーは先日のATOMに交換。ギア間がやや短いコンパクトモデルなので帰りの変速もディレーラーを交換したかのようにスムーズになった。まあ、ディレイラーはジュビリーに交換するけどね。

 

そして今回ついでにあれこれ見なおしてもらった。マルセルからは、ここの締め付けはあまりきつくしてはいけない、ここは出来る限り締め付ける。グリスはここに指す。などサンジェのメンテナンス技を教わった。そして、自転車にまたがされてサドルなどの位置合わせを再度行い見た目にも、乗った感触にも全く違う自転車になったのだ。あとはステムをサンジェにして今付いているチネリのハンドルからフィリップスにしてブレーキレバーをMAFACにする。という計画からステムの長さを割り出す。ここが結構もめた。ヴィクトールとマルセルの見解に10mmの差があるのだ。これで結構声を張り上げての口論となっている。乗ってる本人はその差がわかってないのに...

というサンジェの自転車のメンテ方法からサンジェ式フィッティングをも学んだひじょ〜に有意義な午後。こっちもあれこれ手伝って手もオイルまみれだったのでほとんど写真撮る余裕なし...

リアをジュビリーにしたらとりあえず駆動系完成ということで一回写真をとってみたいと思います。

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コメント: 12
  • #1

    Koya (水曜日, 07 12月 2011 02:54)

    これで紫サンジェの基本はほぼ整ったという事ですね!良かったです。
    ジュビリー付けたら格好いいでしょうな~。
     最高のパーツが付けられるようにその都度、バージョンアップしていたのですね~。確かにそれを戻せというのは不可解なのでしょうね。
    例えばⅣ号戦車D型をH型に改造しておいたのに、F2型に戻せと言うのと同じか?(変なたとえですが(笑))
    サンジェ式メンテ、是非教えて下さいな。

  • #2

    Densuke (水曜日, 07 12月 2011 10:52)

    よかったですね、スムーズに変速するようになって。
    BBシャフトとクランクの嵌め合いは大変難しい問題のようで(特にヴィンテージものは)、古いストロングライトなんかは極めて微妙(に合わない)ようです。
    ステム長10mmの違いは大きいですよ。特にロングライドすると姿勢が崩れがちになるので僕なら10mm短い方をとります。

  • #3

    Koya (水曜日, 07 12月 2011 12:32)

    Densuke様
    そうそう、ストロングライト49dなどは精度が悪いですよね。
    紫サンジェは新しいTAのようですから、そのあたりは良さそうですね。

  • #4

    cycle-shooting (水曜日, 07 12月 2011 14:54)

    Koyaさま
    四号戦車の例えはわかりやすいですね(^^;話が離れますがパリ近郊に住む洗車コレクターの家に四号ありましたよ。H型。

  • #5

    cycle-shooting (水曜日, 07 12月 2011 14:57)

    Densukeさま
    スムーズと言うか、あるものがあるいは、こう動くというものがちゃんとなかったり、作動しないのは非常にストレスですからね!ホッと胸をなでおろした感じです。
    私も短いほうがいいと思います。最終的にはオリビエの判断を仰ぎます。

  • #6

    cycle-shooting (水曜日, 07 12月 2011 15:00)

    Koyaさま
    クランクは定番でストロングライトの49D、リングはTAという組み合わせです。
    クランクを押さえ込んでるボルトが緩む症状は今回の締め付けで折れるんじゃないかというほどの力を込めて締めこんで固定。現時点では悪いところもついでにすべてクリアーできたような気もします。こうなると早くハンドル周りをと思ってしまいます...

  • #7

    Koya (水曜日, 07 12月 2011 15:18)

    戦車コレクター?ヨーロッパは凄いコレクターがいますね(笑)。
    H型を持っておる!すごい話ですな~。もしかしてテイーゲルも?

    49Dでしたか。49dは精度がイマイチな事から、シャフトに締め込む際にシャフト面との合わせにコツがあるとか聞いた事があります。
    それにしてもH型を持っているとはね~。夢のような話。

  • #8

    cycle-shooting (水曜日, 07 12月 2011 15:23)

    洗車はアメリカがほとんどで予備の未使用エンジンも持ってたりしますよ。レストアをペイントまでやってます。庭に体育館みたいなセンセ専用のガレージ持ってますよ。ちなみにレシプをは3台飛行場に持ってました。友人は潜水艦を持っているそうです...

  • #9

    Koya (水曜日, 07 12月 2011 15:39)

    潜水艦?動くの?そこまで行くと良い意味でクレイジーですね(笑)。
    法的には問題ないのかな。

  • #10

    cycle-shooting (水曜日, 07 12月 2011 19:04)

    潜水艦動くかどうかはそこまではわかりませんが。元潜水艦乗りとかが買っちゃうんでしょうね〜

  • #11

    Densuke (木曜日, 08 12月 2011 13:17)

    あぁ、ドイツにもいますね、そういうマニア。収集が嵩じて自分で博物館を作ってしまうとか、結構あるようです。

    Koya様
    古いストロングライトの仕上げは最悪ですね。あれを隅々までピカピカに磨いてしまう人がいるというのが凄いです!

  • #12

    cycle-shooting (木曜日, 08 12月 2011 15:30)

    Densukeさま
    この戦車蒐集家も定年退職まじかで博物館考えてるようですよ〜